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7-2 建物用語のお話し【その2・屋根の形状】

屋根(やね)とは、主に建物の上部を覆う構造物です。

屋根には、外の天候の変化、たとえば雨や雪、強風や太陽の強い日差し、気温の変化、工場のばい煙や大気中の粉塵を防ぐなどの役割を行ないます。屋根を覆うことを「葺(ふ)く」といい、屋根に使われる素材(茅葺、トタン、レンガ、瓦、スレート、コンクリートなど)により「〇〇葺」と形容されます。建物の構造はそのままに、屋根だけを交換することを「葺き替え」といいます。

 屋根の形状による分類は、 

  • ①陸(ろく)屋根 傾斜の無い平面状の屋根のことで、平屋根(ひらやね)ともいいます。
  • ②切妻 切妻造(きりづまづくり)とは屋根形状のひとつで屋根の最頂部の棟から地上に向かって二つの傾斜面が本を伏せたような山形の形状をした屋根のことです。 宝形造(ほうぎょうづくり)は、建築物の屋根形式のひとつで、正方形の平面で寄棟を造ろうとした場合には、大棟ができず、4枚の屋根がすべて三角形になります。このような造りを特に方形造、宝形造(ほうぎょうづくり)といいます。
  • ③入母屋 入母屋造(いりもやづくり)は、東アジアの伝統的屋根形式のひとつです。
  • ④ギャンブレル屋根(腰折れ) イギリスなどのヨーロッパから18世紀にアメリカに伝承された二面切妻二段勾配屋根です。形状が将棋の駒に似ていることから、駒形切妻屋根と訳されることもあります。
  • ⑤マンサード屋根 17世紀のフランスの建築家フランソワ・マンサールが考案したとされる屋根で、寄棟屋根の外側の4方向に向けて2段階に勾配がきつくなる外側四面寄棟二段勾配屋根です。天井高を大きくとったり、屋根裏部屋を設置したりするのに適しています。
  • ⑥しころ 大棟から軒まで一枚の面ではなく、一段の区切りをつけてすぐその下から軒までを葺く形式です。切妻造の屋根の4方向に葺き下ろしの屋根(庇とも)を付けたものと解釈されることがありますが、東大寺念仏堂のように寄棟造の屋根にも用いられています。切妻を上部に用いた場合は、入母屋造の屋根と同じような外観となります。
  • ⑦片流れ 片流れ屋根とは、一方向だけに勾配のある屋根のことです。シンプルな形状のため、屋根のコストが安く、従来は比較的小さな建物や物置などで用いられてきました。雨水の流れがよく、採光なども取りやすいという利点がありますが、その反面風圧の影響を受けやすく、安っぽいイメージになりがちでした。しかし、デザインによってはシャープで個性的な外観となり、北側斜線をクリアする上でも有効なため、狭小地や傾斜地の住宅に採用されたり、スタイリッシュな外観として和モダンな住宅に採り入れられています。
  • ⑧鋸屋根 片流れの屋根が連続し、鋸の歯のような形をした屋根で、工場など広い面積に均等に採光したい場合に用います。
  • ⑨M型屋根 連なっている垂直の壁部分に採光用の窓や開口部を設けられるので、工場に多く採用されてます。 文字通り、字方の屋根です。 形状は鋸屋根に似ていますが、あまり見かけません。 途中で勾配が変わる寄棟屋根です。
  • ⑩バタフライ 屋根の端が高く、中央が低い構成になっている屋根で、その名の通り蝶々のような形をしています。 基本的には採用しない屋根ですが、北海道地方には無落雪屋根と呼ばれるバタフライ屋根がよく見られます。 また、長野県にある、ペイネ美術館はバタフライ屋根を採用した著名な建築物です。
  • ⑪ドーム(丸屋根)  ドームは、アーチの頂部を中心として水平に回転させた形状をしています。構造的にもアーチと類似しており、自重やその他の荷重をドームの面内に沿って下部に伝えるため、面外に屋根を支える支柱や壁が不要である場合が多く、このため、大空間を覆う屋根として適しており、かつ、構造上、高さが必要で荘厳な空間が形成されることから、歴史的に、古代ローマのパンテオンをはじめとする宗教建築に多く用いられてきました。
  • ⑫尖塔 突端(屋根)が細く尖った形をしている塔で、ミナレットやゴシック建築の様式などで多用されています。
  • ⑬ヴォールト アーチを平行に押し出した形状(かまぼこ型)を特徴とする天井様式および建築構造の総称です。日本語では穹窿(きゅうりゅう)と訳されます。
  • ⑭半切妻屋根(ドイツ屋根) 妻面に向かって三角形の小さな斜面(寄棟屋根)を持つ屋根で、厨子といわれている屋根裏の採光、換気のために効果があるといいます。
  • ⑮越屋根 越屋根は、大屋根の上についた小さな屋根です。 昔から古民家にはよく見かける屋根です。 かまどや囲炉裏の上にあり、煙を出すためであったり、窓が開いていたりします。 この越屋根があるおかげで、室内の熱を排出したり、光をとり込んだりする役目を果たしてくれます。
  • ⑯差掛屋根 差掛け屋根、さしかけやね 全体の屋根より一段下がってつくられ、壁から始まる片流れの屋根で、小規模な部屋の上にかけることが多く、母屋に寄りかかっているような、自立していない簡単な屋根のことをいい、物置やガレージの屋根などに使うことが多い屋根です。

 以上の様に、多種の屋根の形状が有ります。

 例えば、私たちが、必要に応じて、頭に被る「帽子」の種類が、多種にわたってあるのと同じように、建物の「帽子」にあたる「屋根」も、その建物の必要に応じて、デザインや形状を変えて、建築されています。

 このように、「屋根」の施工についても、それぞれ、思いやルーツがあるものだと感じます。新築される場合は、参考にして頂ければと思います。

 次回は、引き続き、「屋根材の種類」によるお話をしたいと思います。

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投稿日:2020/08/02   投稿者:阿井川 幾司(宅地建物取引士)
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