5-7 「住まいの知恵袋」【その7】

物件購入をご検討中のお方に、少しだけアドバイスです。

今回より、日常のお住まいで、知っておくと便利なポイントをお話ししたいと思います。

 

今回は、「外壁」のお話です。

 

現在、一戸建ての外壁の工法は、サイディング工法が、主流です。サイディングとは、パネル状のボードを張って外壁を仕上げる工法を指します。

 

サイディングボードには、窯業系や金属系、木質系、樹脂系など、種類が豊富にあります。サイディングは、モルタルに比べるとひび割れや剥がれなどの劣化症状が生じにくいため、こまめなメンテナンスが不要だというメリットが有ります。もちろん、永遠にメンテナンスをしなくてよいというわけではありません。ボードの種類や設置環境によって、寿命が大きく左右されます。5~10年に一度は、サイディングボードの上から保護目的の塗料を塗るとサイディングの寿命は延びます。

 

現在のようにサイディングが人気を集める前は、モルタル塗装で外壁を仕上げている住宅が多数を占めていました。モルタルのセールスポイントは、何と言っても継ぎ目のない美しい仕上がりです。壁の形に合わせて仕上げることができます。継ぎ目がないため、補修工事も簡単です。モルタル材が剥がれた部分やクラックが起こった部分だけをピンポイントで修理出来ます。

 

1960年~1980年代にかけて、国内の木造住宅の最も一般的な外壁仕上げ材として、リシンの吹き付け施工が使用されました。ツヤを抑えた落ち着きのある仕上がりにしたいという方にはおススメの外壁仕上げ材です。施工方法には「吹き付け」や「掻き落とし」などがあります。「吹き付け」は最も一般的な工法で、「エアスプレーガン」を用いて外壁に吹き付ける工法です。「掻き落とし」はコテでリシンを塗り付けた後に、左官職人が剣山やブラシなどの道具を用いて表面を掻き落として仕上げたものです。

 

塗装とは違って手作業で様々な模様が作れるのが「塗り壁」です。本来は下地処理だけの左官業者が仕上げも行なった工法が塗り壁です。塗り壁で使う主な材料は「ジョリパット」と呼ばれ、カラーバリエーションは180以上、模様も100種類はあります。塗り壁は、モルタルを下地として塗装をしたり模様付けしたりする工法です。塗り壁はすべてが手作業ですので細かいデザインや色味を選択できます。仕上げに選ぶ材料や、塗り方で手触りも変わるので、手仕上げ特有の温かみや質感を楽しめます。塗り壁は下地に使う「モルタル」だけではなく表面の仕上げ材も燃えない為、防火性に非常に優れています。一軒家は基本的に木造なので外壁の耐火性の強さは重要です。

 

最後に、パワーボードのお話です。旭化成が日本に初めて導入した100mm厚のALC ヘーベルを木造住宅用に薄くしたのが、パワーボードです。その特徴は、耐久性が高く、断熱性が高く、遮音性が高く、防火性が高く、防災性が高く、メンテナンス性が高い外壁材です。

 

以上の様に、家の外壁の材料にも、いろいろなものが使用されています。住宅購入に際しての内覧時には、是非、外壁の状態もご覧頂けると購入の決断の参考になると思います。

 

弊社では、皆様が、無理のない住宅購入の決断を下せるように、各担当者が、アドバイスやご内覧のサポートをさせていただきます。物件(商品)のご内覧に関するご質問は、ご遠慮なく、お申し付けください。

投稿日:2020/03/02   投稿者:阿井川 幾司(宅地建物取引士)
過去の投稿