5-3 「住まいの知恵袋」【その3】

物件購入をご検討中のお方に、少しだけアドバイスです。

今回より、日常のお住まいで、知っておくと便利なポイントをお話ししたいと思います。

 

今回は、「畳」のお話です。

 

物件資料では、部屋の大きさを、畳の枚数で示しますが、畳の寸法(モジュール)には、いろいろなものがあります。一般的な大きさは3尺×6尺(910mm×1820mm、1.6562㎡)とされていますが、以下の通り、いろいろな寸法があります。

 

■昔間(しゃくま)・本間(ほんま)

3尺2寸5分×6尺5寸(985mm×1970mm、1.94045㎡)・・・畳割り

南河内地方旧家の畳の多くがこのサイズです。

■京間(きょうま)・本間(ほんま)・関西間(かんさいま)

 3尺1寸5分×6尺3寸(955mm×1910mm、1.82405㎡)・・・畳割り

 主に近畿・中国・四国・九州と西日本の大部分で使用されています。

■中京間(ちゅうきょうま)・三六間(さぶろくま)

 3尺×6尺(910mm×1820mm、1.6562㎡)・・・畳割り

 主に愛知・岐阜県の中京地方や福島・山形・岩手の東北地方の一部、および北陸地方の一部と沖縄、奄美大島で使用されています。

■江戸間(えどま)・関東間(かんとうま)・田舎間(いなかま)・五八間(ごはちま)

2尺9寸×5尺8寸(880mm×1760mm、1.5488㎡)・・・1間が6尺の柱割り

関東、東北地方の一部、北海道と三重県伊勢地方の地域で使用されています。

■団地間(だんちま)・公団サイズ(こうだん‐)・五六間(ごろくま)

 2尺8寸×5尺6寸(850mm×1700mm、1.445㎡)のサイズが中心

 公団住宅、アパート、マンション等、共同住宅や高層住宅のほとんどで使用されています。

 

畳のサイズの違いは、もともと一間(いっけん)という、年貢米を明確にするための検地における寸法が、秀吉の時代(太閤検地)には、6尺3寸でしたが、江戸時代には6尺として、事実上の増税となりました。当時は、この一間の検地竿(間竿)を基準にして建物を造ったと考えられ、殆どの造作物がこの竿の長さを一つの単位とすることになりました。

 

もうひとつの違いが、家を生産するシステムの違いです。畳の寸法を基準とする「畳割り」か、柱真(柱の中心のこと)間の距離を基準とする「柱割り」かの違いです。一般的に、「柱割り」の方が、大工による作業の能率が高くなります。その理由は、「畳割り」による設計で大小様々な部屋を並べていくと、柱真の筋が合わなくなるという問題が生じるからです。従いまして、「柱割り」の方が、より近代的な生産システムに対応していると考えられています。

 

住宅の広告等で部屋の広さをあらわす目安として「LDK ○○帖」「寝室 ○○帖」(畳ではない)といった表記を目にすることがよくあります。これは畳を部屋の広さの基準にすることは厳密には無理がありますので、単純に畳の枚数を表す「畳」ではなく「帖」を用いることによって誤解を防ぎ、1帖を1.62㎡と定めて1.62㎡以上の広さを1畳とすることとしています。(尚、この1.62㎡は、各室の壁芯面積を畳数で除した数値です。)

 

物件購入のポイントと致しまして、是非、複数の物件を見比べる事が肝要でございます。チラシに表示されている畳の広さだけではなく、必ず、現地を内覧され、実感として、部屋の広さや使い勝手を見比べる事が、マイホーム選びのポイントでございます。

 

弊社では、皆様が、無理のない住宅購入の決断を下せるように、各担当者が、アドバイスやご内覧のサポートをさせていただきます。物件(商品)のご内覧に関するご質問は、ご遠慮なく、お申し付けください。

営業部 阿井川

投稿日:2019/01/20   投稿者:阿井川 幾司(宅地建物取引士)
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